柔整コラム

2011年9月 5日 月曜日

柔道整復師の社会的ポジション

 私たち柔道整復師は「ほねつぎ」として江戸の昔より国民の間に伝統医療として浸透してきました。現在は、通称「接骨院」、「整骨院」として国民の間に親しまれている独立開業権を有する医療従事者です。国家資格を有し先に記した独立開業権を持つ医療機関として健康保険を始め労災保険・自賠責保険等の取扱いができます。又、一部整復師には診断権がないと誤解されていますが、法の下、整復師には整復師業務範囲内の診断権があり、交通事故の際、警察提出用証拠書類として求められる診断書においても刑事訴訟法321条1-3により証拠書類として認められているものです。又、柔道整復師は「医療類似行為」者と間違った認識をされている事がしばしばあります。「医療類似行為」はあん摩・マッサージ・指圧師・はり師・きゅう師に関する法律12条に規定される免許制のない無資格療法を指し柔道整復師法3条で規定される免許制による限定した医行為を許した「施術行為」とは別です。
この事を理解されない為に無資格者と同じカテゴリーのもと医療類似行為と混同され結果的に診断権が無く診断書も書けないものと間違った解釈がなされています。原因として、厚生労働省通達においていたるところに医療類似行為者扱いする文言が見受けられます。
「医業類似行為とは疾病の治療又は保険の目的でする行為であって医師・歯科医師・あん摩師・はり師・きゅう師又は柔道整復師等の法令で正式にその資格を認められた者がその業務としてする行為でないものをいう」(仙台高裁 昭和29年6月29日判決)はその事を示した司法判例です。
 通常柔道整復師の治療範囲は「骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷」のみが治療対象とされていますが、その根拠として健康保険請求の段階で上記4症病に限るという協定が昭和11年、都道府県と地方整復師団体の間で結ばれて以来ずっと旧態以前の取扱いがなされています。又、昭和45年議員立法において「柔道整復師法」が医師法の特別法として独立立法され、その説明趣旨において「骨折・脱臼・打撲・捻挫を療養費支給対象に」という説明が行われて以来この取扱いが確固たるものとなりました。
 そして、本来健康保険法87条が示す償還払いが原則であるものを昭和11年内務省省令の下「受領委任契約」の奨励により療養の給付(診療報酬)と同様の取扱いとなっています。
又、昭和63年7月14日司法裁判 (福島地裁) によって療養費における受領委任制度に個人契約 (契約柔道整復師) が確立され、それまで社団法人会員 (協定柔道整復師) でなければ受領委任制度を利用出来なかった旧態以前の体制が取り払われました。この事によってこれまで施行されていた、資格があっても特定の団体に所属しなければその制度を利用できなかった仕組みが見直され、整復師医療受診の制限という形の国民へのしわ寄せが一部改善されました。
 その後、柔道整復師人口は増え続け、それまで全国で14校しかなかった柔道整復師養成学校の新設をめぐって裁判が提起され、平成11年柔整学校新設の制限は独占禁止法に抵触するという福岡地裁の判決をもって、この10年で養成学校の数は100校を超え毎年5000人超の柔整師が誕生する時代に突入し、少なからず過当競争が始まっているのが現状です。

投稿者 協同組合日本柔整総研 | 記事URL

2011年9月 5日 月曜日

ミスティリアス (摩訶不思議) な柔道整復師というお仕事

 仮にその場所を九州一の歓楽街・博多は中洲界隈とする。中堅クラスのお店で水割りかなんかを軽く召し上がりながらお店の女の子相手に「オレはギックリ腰を一発で治せるぞ!」とか「オレの手は神の手だからレントゲン撮らなくったって骨折だって朝飯前だ!!」などと大声で自慢しながら熱く語る餃子耳の太った男たちに出くわしたらそれは間違いなく柔道整復師というお仕事の人たちである。
又、同じく「健保組合が受診照会をするにあたって民間の企業に調査の外部委託を行っているけどこれって個人情報保護法に抵触する可能性があるよね。厚労省から通達も出てるし...」とか「交通事故患者の診断書を警察が整復師診断書だから受理しないのは昭和32年最高裁判決を知らないのか検察の提灯持ちをしているのか、どちらにせよ法の321条に抵触する事で営業妨害と名誉毀損になりかねないよね...」なんて話をしている人を見かけたらこの人たちもまぎれもなく柔道整復師というお仕事の人たちである。
 さて、この「柔道整復師」というお仕事、関係者の間では柔整(jyu-sei)の通称で呼ばれているものの世間一般の方々にはほとんどなじみがない。
実は、接骨院、整骨院の先生として全国的に国民の間に浸透していて、ちゃんと国家資格を持った医療従事者であるにも関わらず、その資格の実態はほとんど知られていないのが現実である。
法令にのっとった正しい名称なのにこの知名度の低さは他の業界と比べても突出している。
この柔整というお仕事......ある時は医師と同等の扱いを受けたかと思うとはたまたある時は無資格者である整体師と一緒にされてしまったりする。
しかしその実、医師でもなければ整体師でもない。
その資格は様々な制度利用を獲得しているにもかかわらず、柔整師自身その事を知らないまま今まで歩んできた。
その為、実態を正しく理解されないまま各方面からのバッシング(迫害)を受け社会的地位の向上・知識や技能の発展の芽を摘み取られてきた...そうした環境にもかかわらず国民からの信頼と支持は向上し続けている。
柔道整復師とはそんなミスティリアス(摩訶不思議)なお仕事として世の中に存在するのである。

投稿者 協同組合日本柔整総研 | 記事URL

カテゴリ一覧

カレンダー

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

月別アーカイブ